書籍紹介:こども六法

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お役立ちポイント

本書は、”子どもや子どもへの法教育担当者等”をメインのターゲットにしていると思います。しかし、内容を読んでみると、”法律の知識がない大人”にも是非読んでいただきたい内容になっています。法務担当として社内の人と話をしていても、請負契約ってなに?委任契約ってなに?任意規定ってなに?と質問されることもたまにあると思います。社内のリーガルリテラシー向上の初めの第一歩として活用ができるのではないでしょうか。

書籍概要

本書では、子供に関係がある法律、知っておいた方がよい法律をいくつかピックアップし、小学校高学年以上の人が読めるように、平易な言葉で条文の文言等を説明しています。

掲載されている法律は、刑法、刑事訴訟法、少年法、民法、民事訴訟法、日本国憲法、いじめ防止対策推進法です。

見開きの左ページに印象に残るようかわいい絵が記載されています。私は保護責任者遺棄等(刑法218条)の説明のやつれたパンダさんがツボでした(笑)。

委任契約と準委任契約

民法643条(委任)では、「委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。」とされています。また、民法656条(準委任)では、「この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。」とされています。

本書では、この条文を次のように平易な言葉で言い換えてくれています。

第643条 委任

契約を結ぼうとする本人たちの一方が、相手に別の契約を代わりにやってもらうことをお願いし、相手がこれを引き受ける契約を、委任契約といいます。

第656条 準委任

委任契約に関係する決まりは、契約ではないことを代わりにやってもらう場合も同じように適用します。

山崎聡一郎「こども六法」弘文堂 2019年 P125

このように、条文の文言を平易な言葉で示した後に、補足説明として、委任契約と準委任契約の具体例を挙げて説明しています。要約すると、”コンビニで雑誌を買ってきてもらう”は委任で、”教室の掃除を代わりにお願いする”のは、準委任契約としています。

社内での相談事も、このようにできるだけ平易な言葉と直観的に分かりやすい具体例を挙げて説明できると堅苦しくて難しいことばっかり言ってくる法務から、信頼される法務として一目置かれるのではないでしょうか。

具体的な活用場面

本書では、子どもに関わる法律を中心に掲載しています。すべて日常生活の中で大人が知っておくべき法律と内容になっていますので、法務担当自身が新しい知識を習得することができるか、法務の仕事に直接的に役に立つかという点では、正直いうとあまり活用できないかもしれません。しかし、”本書が子どもにも分かるように説明をする”というのは、会社でいうと”法務担当が法律の知識がない社内の人に説明をする”という場面とかなり近いと思います。そのため、本書での条文を平易な表現で言い換えるという方法は、社内の相談事はもちろん社内研修等で活用していくことができると思います。このような意味で、法務担当が本書から学べることはあると思います。

最後に

実をいうと、本書を買うまでは、本書を書籍紹介としてブログを書く気は全くありませんでした。単純にTwitterで重版されたということを知り、また子供への法教育というのは、大学時代に少し興味を持っていた分野でもあったので、懐かしさもあり購入してみただけでした。

しかし、中身を読んでみると意外としっかりと説明しており、”子どもが自分の身を守るために”はもちろんのこと”大人が子どもを守るために”も必要な知識が網羅されています。

法務担当としては、これまで説明したような活用方法ができると思いますし、一市民として、子どもを守るために本書を読んでよかったなと思いました。

ではまた~

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