去年は法務組織の強化の年ということで、採用活動に励んでおりました。その中で学んだことについて今回記事にしました。前提として、東京にあるものの非上場の中小企業ですので、現在の転職市場においては、法務採用に関してかなり苦戦する部類の企業であることをご承知おき下さい(笑)
まずはどんな人が欲しいかを考える。
まずは、現状の課題・既存メンバーのスキル等を整理し、どんな人が欲しいかを考える必要があります。
大規模な会社であれば、例えば知財関連の専門的知識が持っている人など特化型の方の採用も可能だと思いますが、多くの企業では法務組織に人的なリソースを大きく割くことは難しいと思います。
そのため、多くの会社では法務とはいえ割と様々な業務をする人材を採用するのではないかなと思います。
その際、明確に意識しなければならないのは、法務担当が欲しいのか、それとも法務アシスタントが欲しいのかです。
※ここでは、法務担当は、リーガルチェックやガバナンス強化のための取り組みなど、法的知識や経験を活かして業務を進めていく人を指し、法務アシスタントは、法務担当の指示に基づき業務を進めていく人を指しています。
募集要項等の注意点
募集要項を掲載する際には、上記の法務担当、法務アシスタントのどちらを採用するかをはっきりと明示する必要があります。
その際、手っ取り早いのが法務経験2年、資格の取得等を要件とすることです。
ただ、それなりの量の書類選考と面接を行う中で感じたのは、法務経験がある方も、行政書士や宅建などの資格を持っている人も、アシスタント気質の人が多いということです。
書類選考時の注意点
まず法務経験や行政書士、宅建等の資格を持っている人であっても、その方がアシスタント気質が強い人である場合、法務担当としての採用は難しいということです。一方でそのような知識を有する人がアシスタントとして入社してくれる場合は、既存の法務担当との意思疎通がスムーズに行うことができるため、既存の法務担当が事務作業に忙殺され、専門的知識が必要な業務を行うことができないという場合には、このようなタイプの方を採用するのがよいと思います。(ただ、アシスタント気質であるものの、法務担当になりたいという人が多いような気がします。)
今回の採用活動にあたっては、法務担当の採用を行いましたので、法務担当の書類選考を行う上で、職歴・学歴について以下の点について、気を付けました。
職歴に関しては、法律事務所・司法書士事務所・行政書士事務所の勤務経験が多い方も多いです。これらの経験の中で、企業法務に絡むご経験をしっかりされている方であれば、プラス評価ができるのですが、一方で企業での就業経験がなく、会社というもののイメージができていない方も多く、これらの事務所経験というのは過大評価しないほうが良いと思いました。
学歴に関しては、法学部卒であれば法務業務を行う上で必要な法律知識が十分であるかというと、それは間違いです。自分がそうだったのですが、学部を卒業したレベルの知識では全然戦えないです。法学部卒という点も過大評価はせず、面接でその人が入社後も継続して(楽しんで)学んでいくことができるかどうかというのを見極めるのが重要だと思います。
面接時の注意点
面接では、自分の組織に必要な人物像と候補者の方がどれだけマッチしているかをしっかり見ていきます。
質問に関しては、どのような仕事をしてきたか?やりがいを感じる時はどんなときか?などなど一般的な質問からスタートして、より掘り下げていきます。
エピソードを聞く中で、自分の頭の中で、その人がどんな風に仕事をしていたのか、イメージができれば第一関門突破です。
次に、そのイメージと自社の職場の雰囲気がマッチするかを面接後に振り返り、検証しましょう。
僕の場合は、結構この第二関門で落とすケースが多かったです。司法書士、行政書士等の有資格者等、法律知識は豊富で、一般論として法的見解を示すことができる人は山ほどいましたが、うちのような顧客ごとに臨機応変な対応、営業と試行錯誤しながら落とし所を見つけていくというコミュニケーション重視なうちの法務機能とマッチしない方が多かったです。
最後に
採用活動は、結構しんどいですが、妥協をするとかえって時間も費用もかかってきます。でも続けていれば、カチッとくる人が必ずきます。法務担当は面接官の経験が少ない方も多いかと思います。まずは数をこなしましょう。たくさんあってみて話してみると、結構、傾向が見えてくるものです。
無事採用できて、定着し、戦力になってくれた時はとっても嬉しいですよ!
では、また!
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