司法試験を諦めた法科大学院生へ~企業法務のすすめ~

目次

はじめに

司法試験には向き不向きがあると思っています。その人の努力量や能力の高さはもちろんありますが、不向きな人にとってはかなり難しく過酷な試験です。しかし、上位校であればあるほど、司法試験を諦めるという選択肢はなく(あっても公務員試験)、受かるまで続けるという方が多くいます。もちろん、司法試験は受かってしまえば、ほぼ法曹になることが可能という試験ですので、受かるまで続ける価値のある試験だと今でも思っています。一方で、私は2回目で司法試験を諦め、民間企業に就職した経験から、法科大学院生にとって民間企業への就職という選択肢も全然ありなのでは?とも思っております。そこで、この記事では、法科大学院生にとっての民間企業への就職という選択肢について書いてみたいと思います。

就職活動

就職活動は8月ぐらいから徐々に始めました。まずは、各就職サイトに登録して情報を集めました。希望としては、やはり法務部や法務担当で、勤務地は地方(地元もしくは通っている法科大学院がある場所)で考えていました。しかし、地方の企業でなおかつ法務の求人はほとんどなく、早々に地方での就職は諦めることになりました。

法務の求人は、有資格者や法務経験3年以上という条件が付いていることが多く、そもそも法科大学院卒業後すぐで社会人経験のない法科大学院生にとって、就職できる企業というのは若干少ないなという印象です。しかし、リクルートエージェントやMS-Japanに登録してみるとそれでも東京であればそれなりに求人がありました。

結局4社ほど面接を受け、都内の民間企業への就職が決まりました。

会社の選び方

基本的に見るところとしては①業界②経験できること③会社の雰囲気だと思います。

まず①業界ですが、一般的に避けるべきとされている業界は、法務での就職であっても同様に避けるべきです(飲食業界等)。

次に②経験できることがたくさんある会社がいいです。特に上場経験というのは、次にもし転職する場合にかなり大きな経験になります(上場コンサルタントという道も開けます!)のでおすすめです。あとは、その企業がどんな事業をしているのかを見ます。ある程度手広く事業を行っている会社の方が見られる契約書の種類が豊富になります。そして、最後に一人法務であることです。これについては別記事で詳細に書きたいと思います。

最後に③会社の雰囲気ですが、これは通常の会社通り、自分に合う会社かどうかです。私は3社目に受けた会社は、面接室の壁に”会議で発言しない者は出ていけ”という言葉が額縁に入れられているのを見て、辞退しようと思いました。基本的に雰囲気は、面接に行って確かめるしかないと思います。そして面接には直接の上司になる方(経営管理部長や総務部長等)が出てくることも多いと思いますので、その方と合いそうかどうかも感じてくるのが大事です。

法科大学院生の就職活動は難しいのか?

私は就職活動を始めた時にはすでに、20代後半でした(大学受験で2浪+未修入学のため)。しかも面接の経験はそれまで全くなく、一回目の面接では、緊張しすぎて挨拶すら噛みまくりました(笑)。実力を示すものとしては、司法試験短答合格くらい。そんな私でも4社という比較的少ない面接回数で受かったのは運の部分が大きいですが(→人物面を重視してくれる会社に出会えた。)、それでも難しいというほどの難易度ではないのではないでしょうか。

一番大変だったこと

一番大変だったことはお金です。面接に行くために地方から東京まで夜行バスで往復するだけで1万円くらいします。就職活動をしつつも、日雇いのアルバイトなどをしてお金を稼いでいました。ちなみにおすすめは、サーベイリサーチセンターでの交通量調査等のお仕事です。拘束時間は長いですが、2時間ごとに1時間休憩だったりするので、情報収集や履歴書・職務経歴書の作成などの時間に活用できます。

就職してみて思ったこと

今は仕事の中で、年間約900件ぐらいの捺印書面に目を通し、約600くらいの契約書のリーガルチェックを一人で行っています。そのほか様々な仕事を任せて頂いており、日々色々なことが学べる環境に身を置くことができたなと感じています。

確かに弁護士になった多くの友人と比べると給料面では低くなってしまいますが、それでも同年代の平均給料と同じぐらいは頂けていると思います。また、会社には、営業やシステムエンジニア、人事・労務のスペシャリスト等々色んな方がいます。企業法務というのは、各部署と関わる機会が多いので、そういった自分の専門外の人からいい影響を受けることもできます。ちなみに私は会社のシステム部の人から影響を受けてプログラミングを始めています。

最後に・・・

法科大学院生は、私もそうでしたが、せっかく法律を勉強しているんだから、それを活かした仕事に就きたいと思うと思います。そして民間企業だとそれが活かせないというように私は思い込んでいました。しかし、入社してみると法律の知識はバリバリ活かします。また入社してみるとわかると思いますが、地獄のような勉強で身に着けた、基本的な法律の考え方(条文の解釈や三段論法等)自体ができているというだけで、十分武器になります。

また、私は経験がないので詳しくは書けませんが、法務派遣といったものもあったりします。また法務経験を3年間積めば、転職の幅もかなり広がります。また各社事業の多様化や複雑化により高度な経営判断が要求されるようになってきており、法務の重要性も高まってきています。そのため、転職によるキャリアアップも十分可能になってきていますので、まずは法務経験を積むというのが大事だと思います。

最後に、私は一人法務として仕事をしています。結論からいうと一人法務はかなりおすすめです。楽しいです。別の記事で”一人法務”について書いてみたいと思います。

では、また~

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※私の記事は、一つの事例でしかないので、もっと皆さんの役に立つ情報はないのかなぁと探していたところ、私が就活していた時にも少し参照していたサイトが今ではめちゃくちゃ充実していたので紹介します。

リーガルマップ

履歴書や職務経歴書のひな型があったり、就活の参考になるブログもあったりします!特に面接対策は、面接に苦手意識のある法科大学院生も多いと思いますので参考になると思います!


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