法務3年目の到達点

ちょっと偉そうなタイトルをつけちゃいましたが、今回は自分がロースクール卒業後、社会人経験なく法務の仕事を始めて3年経った今、どんなことができるようになったのか、昔を振り返ってどんなことを思っているのかを書いてみることにしました。過去の僕と同じような境遇にいる方や、法務の仕事を始めたばかりの方などの参考になると嬉しいなと思います。

現在の主な仕事内容

今は、メインは契約書の確認、法律的なことの相談、契約書の管理、Pマークの運用、稟議制度の運用になります。最近では、だんだん新規事業の開始時の相談なんかもして頂けるようになりました。

できるようになったこと

僕は入社して一番初めに、契約書の製本を覚えました。その次は印紙貼りです。基本的には2号文書と7号文書なのでそこまで悩まないですが、1割ぐらい難解なものがあるので最初の頃は一生懸命調べてました。

入社3日目くらいで早速契約書に関する打ち合わせの予定が入りました。総務の先輩と二人で営業さんからの相談を受けました。とても緊張していたのですが、先輩がほうむくんはどう思う?と話を振ってくださり、なんとか説明してみると、営業さんはとても関心してくださり、褒めてくれました。あの時はめちゃくちゃ嬉しくて家に帰ってからずっとにやにやしてました。(翌日の打ち合わせは、ちょっとお偉い方からの相談でなかなかに詰められてしまい、タジタジでしたが笑)

実務をやっていると、印紙もそうですが、偽装請負やPマークに関すること、派遣法等の法律など新しく勉強することも多く、壁にぶつかるたびに知識を付けるという感じでした。なので、1年目は家に帰宅しても土日も結構調べものや勉強に費やしてましたね。

一年目からありがたいことにPマークの事務局として、内部監査やテキスト作成、外部監査対応などをさせて頂きました。率直にいってPマークの運用って業務量が多くてしんどいのですが、内部監査は業務の細かいこともすることができるので業務理解にかなり役立った気がしています。

二年目、三年目は、正直にいうとゆるふわの法務体制だったので、少しずつ業務を整理して効率化したりという取り組みを進めました。具体的に言うとフォルダの整理、法務相談依頼のルール、ひな型の整理、重要書類の管理方法とかです。ルール考えるのが多いですね。

これにプラスして、コンプライアンス研修の資料を作ったり、研修を実施したり・・・。会社として世に出す文章のチェックなど、法務とは関係ない文章のチェックなどもたまに依頼されるようになりました。今では、とりあえず法務に相談みたいな感じになりつつあります。まさに法務は会社の情報センターだなと感じます。

あとは、誤字脱字にめっちゃ気が付けるようになります(笑)。

昔を振り返ってみて・・

ロースクールを卒業して、司法試験に落ちて20代後半に差し掛かった僕は、正直いうと社会に出ても自分なんか役に立たないだろうと本気で思っていました。高校や大学の同級生は22歳で民間企業に入社してかなりの経験を積んでいます。ロースクールで出会った仲のいい友人や先輩は、ほとんど合格し法曹として社会人生活をスタートさせました。同世代と比べて経験が少なく、強い資格も持っていない自分は役に立たないだろうと・・。

今思うと視野が狭くなっていたなとすごく思います。ロースクールで真面目に勉強してきた人は社会に出ても役に立てます。

まず実感するのはメールの文章です。ほとんどの人は言葉の定義を曖昧に使っており、意思疎通でズレが起きていることが多々あります。法律をある程度勉強している人というのは、言葉の定義に敏感なので、他の方に比べてきちんとした文章を書けます。

また、物事を深く考えるということができている人もあまり多くはありません(他の仕事で忙しくて考える時間がないこともあります。)。深くというのは、物事の趣旨に立ち返って考えていくことです。これができるだけで、他の人に気がつけないことに気がついたり、リスクを指摘することができます。

そして社会に出ると、どんな職種であっても法律知識が必要となる場面がとてもたくさんあるなと思いました。その際にロースクールで学んだ解釈論というのはとても役に立ちます。話をすると自分の方が法律の気持ちがわかるなぁというか、法律に関する専門性を身につけたんだと感じることがあります。(もちろん、経営は経営、営業は営業、経理は経理でそれぞれ専門性があるので尊敬は忘れちゃダメです!)

このように他の人と比べて社会人経験がないというのは紛れもない事実なので、そんなに若くないのに名刺や電話対応にわちゃわちゃしたり恥ずかしいというのはあるかもしれないですが、他の人にはない専門性をしっかり身につけられているはずなので、臆することなく社会に飛び出していけばいいと思います。

最後に・・・

今回は、あーもう入社して3年もたったのかぁと、色々振り返ってみて、勢いで色々と雑多に書いてみました。

僕は一社目で良い環境で働かせてもらえ、尊敬できる同僚や上司に出会えました。そして自分の知識や考え方に自信を持つことができるようになりました。とてもラッキーだったと思います。

企業法務も弁護士資格をもっている人が増えてきています。とはいえ、法的な専門知識を持っている人が必要な会社はまだまだ山ほどあります。司法試験を勉強していると、どうしても士業や公務員などしか見えなくなってしまいがちですが、民間企業という道もあるんだなと思って頂き少し視野を広げるきっかけになると嬉しいです。

※でも司法試験は目指している以上本気で取り組んでくださいね!僕もそうですが司法試験に受かりたい気持ちはなかなか消えません。そして働きながら司法試験の勉強をするのは至難の業です(笑)

では、また~

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