お役立ちポイント
僕のように法科大学院から、そのまま民間企業で法務担当になった人というのは、会社の人事制度がどういうものかということを知らない方も多いと思います。そういった境遇の方には人事制度の概要をつかむことに役立ちます。また、法務担当は、出世競争にさらされることは比較的少なく、出世競争の外側でプロフェッショナルとしての地位を確立していくことが多いのではないでしょうか。今回紹介する「出世する人は人事評価を気にしない」では、第6章「レースの外で、居場所を確保する方法」で組織内プロフェッショナルとして活躍していく方法についても述べられています。
書籍の概要
本書籍では、第1章「評価が低いあの人が、なぜ出世するのか?」で、出世のメカニズムについて説明しています。個人的には、本章が最も学ぶところが多かったです。
本書籍全体としては、非常に読みやすくわかりやすい文章で書かれているので、すらすらと読み進めていけると思います。ただ内容としては人事制度についてあまりよく知らない人向けに書かれていると思いますので、入社したばかりの人や、自分のキャリアアップに不安を感じている人、あとは特に管理職になる予定だったり、なって間もない人におすすめです。
また、購入者特典で”人的資本棚卸シート”を無料でダウンロードすることができます。”人的資本棚卸シート”に従って、自己の経験を棚卸することで、自分自身の強みがクローズアップされ、キャリア設計の役に立ちます。
会社生活の中で、”競争のルール”は2回変化する??
一般社員層が、平社員→主任→係長といったように昇進するときは、いわば”卒業基準”として業務の正確性やスピード等、現在担当している仕事での優秀さが昇進基準となるが、管理職に昇進するときは、”入学基準”として、管理職としてふさわしい仕事ができるか(=一従業員の視点から、組織をマネジメントする管理者の視点に変われるか)が昇進基準となる。
そして、管理職までの「使われる側」から、「使う側」である経営者になるには、さらに視点の変化が必要となる。経営者への昇進基準の一例として、次のような昇進基準が挙げられている。
- 【ビジョン】「何のため」を説明できているか
- 【戦略性】現在をどのような機会として捉えているか
- 【勝利へのこだわり】担当する領域で勝つことを常に意識しているか
- 【ビジネスモデリング】収益を生み出すビジネス構造をコントロールしているか
- 【人材マネジメント】部下に職務と動機を与え自発的に行動するようにしているか
最後に
僕の場合は、本書を読み、自分の会社を振り返って、「あーこのポストには、こういう人が必要なのか」「このポストにつける候補が出てくるには、何か施策が必要なのでは」等、色んなことを考えるきっかけにすることができました。ただ自分自身のキャリアアップについては、今の自分が行っている法務の仕事がプロフェッショナルの領域に達しているかといわれると何となく疑問符が付くということもあり、あまり深く考えるには至りませんでしたが(ここは読む人の境遇や専門性のレベルによるところかと思います。)、今まで興味がなかった出世ということも少しは意識してみようかなと思いました(笑)。
では、また~
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