法務部長と法務課長の違いってなんだろう

    僕は今、法務課長をやっています。最近、社内の役職定義や責任整理(規定づくり)みたいな仕事もしていて、部内外を俯瞰して見る機会が増えました。

    そうすると、ふと考えるんですよね。
    部長と課長って、結局なにが違うんだろう?
    (小声:え、この人部長でいいの?とか思ったり、思わなかったり)

    そこで今回は、法務部長と法務課長の役割を整理しつつ、部長・課長にそれぞれ何が期待されているのか、そして課長が部長になるには何が必要かまで、まとめてみます。

    部長は「戦略を部に落とす人」、課長は「現場で実行して回す人」

    どこの会社でもそうだと思うのですが、部長という役職は、必ずしもその部の実務を一番熟知している人が就くわけではありません。
    実務の細部でいえば、部長より詳しいメンバーがいるのは普通です。

    だから、実務の強さだけで見てしまうと、「部長よりあの人の方がすごい」みたいな空気が出て、部長が軽く見られることもある(ありますよね…笑)。
    ただ、ここがポイントで、部長に期待されているのは“実務最強”ではなく、別の仕事です。

    部長と課長の違いを、めちゃめちゃ簡単に言うとこうです。

    • 部長:会社の戦略を部に落とす(トップダウン
    • 課長:戦略を現場で実行して回す(ボトムアップ

    役職ピラミッドの中でも、部長↔課長の間は、意外と一番「仕事の種類」が変わる気がします。

    法務部長と法務課長の特殊性

    法務の部長・課長は、事業部の部長・課長より、役割の捉え方が少し難しくなりがちです。その理由の一つが専門性です。

    法務では、必ずしも「役職が上=専門性が高い」とは限りません。むしろ、課長以下のメンバーの方が特定分野に深く通じていたり、分野ごとに“社内で一番詳しい人”が違ったりすることが多いと思います。

    結果として、専門家としての見解が求められる場面では、課長が前面に立って説明・発言することも珍しくありません。
    そうなると、「自分は課長なのにここまで…」「部長がもっとやってよ…」というモヤモヤが生まれやすいのも、わかります。

    一方で部長の目線に立つと、部長は3年後・5年後を見据えて、採用・育成・配置・外注の組み合わせで体制を作っていく責任を負います。
    ただ、専門性が高い分野ほど、その知識の「深さ」や「正しさ」を部長が自力で判別するのは簡単ではありません。

    さらに、法務は売上のように成果が数値化しづらい領域も多いです。だからこそ部長は、メンバーと近い位置にいる課長の判断・目利きを信じなければならない場面が増える。
    ここに、法務部長ならではのマネジメントの難しさがあると思います。

    では、法務部長・法務課長はどうすれば・・・

    法務部長がやるべきこと:専門性を“勝たせる設計”をする

    法務部長は、専門知識そのもので勝負するというより、専門性をメンバーが活かせる設計を作ることが重要です。

    例えば・・・
    ・役割分担(領域オーナーの明確化)
    ・レビュー体制(誰がどこを見るか、二重チェックの考え方)
    ・判断基準(どこから部長判断か、何をもってOK/NGとするか)
    ・学習環境(ナレッジ蓄積、定例共有、外部知見の取り込み)

    そのうえで、部長は課長と「部長が握ること/課長に任せること」を認識合わせし、腹落ちさせる。
    そして、課長では難しい領域――経営陣や他部門長との合意形成、社内政治も含めた信頼関係の構築――を引き受けて、課長に“安心して現場を回せる土台”を渡す。これが部長の仕事だと思います。

    法務課長がやるべきこと:部長の前に立つ場面を恐れない

    一方法務課長は、「自分は課長だから」と、部長を経由するルートだけに依存すると、部の意思決定も成長も遅くなりがちです(部長の力量にも左右されてしまいますしね・・・)。

    法務課長は他部署の課長よりも、専門家として前に立つ役割を求められる場面が多い。
    自分の専門領域はもちろん、メンバーの専門領域も把握しながら、社内の意思決定が前に進むように、必要な説明を自分が担う。ここは逃げない方がいいと思います。

    法務課長が法務部長になるには?

    法務課長は、配下メンバーの専門領域も理解して発言できる力が必要です。ただ、全部の分野を“最新情報まで常時ウォッチして論点発見できるレベル”に広げるのは現実的に厳しい。
    なので、日々勉強は必要ですが、専門領域を無理やり広げるために勉強を詰め込むのは、必ずしも得策ではありません。

    それより持つべきは、部長の目線だと思います。

    課長は、日々の案件をメンバーと捌き、法務業務が円滑に回るようにボトムアップで部を支えます。
    そこに加えて、部長と同じ目線――つまり「3年後・5年後、法務部はどうあるべきか」「そのためにどの専門性・人員が足りないか」「育成・採用・外注のどれで埋めるか」――を持ちながら実務を回し、現場の実情と課題感を部長と同期していく。
    これが、課長が部長になるために必要な要素の一つだと思います。

    そしてもう一つ、少し現実的な話をします。
    課長が部長になるには、**いまの部長が次の役割に上がる(あるいは役割が変わる)**ことが必要になる場合が多いです。要するに、席が空かないと上がれない。

    だから課長としては、(もちろん健全な範囲で)部長の成果が最大化されるように、情報を整理して上げる、部長が意思決定しやすい形で提案する、といった立ち回りが結果的に自分の道も開きます。
    ※“無理に追い越す”みたいな話は例外で、基本は「部が勝つ」「部長が勝つ」動きの中に自分の成長を乗せる方が、再現性が高いと思います。

    さいごに・・・

    ざっと整理してみましたが、改めて思うのは、課長→部長は単なる昇進ではなく、役割の転換だということです。
    もうすぐ課長になる人、いま課長で次の役割を意識している人にとって、何か一つでも整理のヒントになれば嬉しいです。
    (自分も課長2年目なので、一緒に試行錯誤していきましょう…笑)

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