企業法務のための租税法(作成中)

    租税
    第一

    企業法務のための租税法

    超時短租税法

    ― 第1週・基礎編 ―

    所得税法・法人税法

    契約・取引・組織再編・役員報酬――企業法務の実務は、いたるところで税の論点に接します。本教材は、法務担当者が「なぜこの課税ルールがあるのか」という背景を押さえたうえで、自社の取引で何が問題になるかを判断できるようになることを目的としています。 まず第1週で所得税法・法人税法の骨格をつかみ、第2週で深掘り、第3週で具体的な場面への応用へと進みます。 では、さっそく始めましょう。

    第 一 編

    所得税法の基礎

    個人の所得課税。役員・従業員・取引先個人との関係で、法務が押さえておきたい基礎。

    租税の意義と租税法律主義

    定義

    租税とは、国又は地方公共団体が、課税権に基づき、その経費に充てるための資金を調達する目的をもって、特別の給付に対する反対給付としてでなく、一定の要件に該当するすべての者に対して課する金銭給付をいう。

    ⇒ キーワード:①公権力性 ②経費調達目的 ③非対価性 ④一般性 ⑤金銭給付

    租税法律主義とは、租税を創設・改廃するのはもとより、納税義務者・課税標準・徴税手続のすべてを法律に基づいて明確に定めなければならない、とする原則をいう(憲法84条)。次の3つの内容に分解して理解する。

    原則内容
    課税要件法定主義課税は国民の財産権への侵害だから、課税要件の全てと賦課・徴収の手続は法律で規定されなければならない。⇒ 委任立法に制限を加える。
    課税要件明確主義法律やその委任下の政令・省令で課税要件・手続を定める場合、その定めはなるべく一義的でなければならない。
    合法性の原則課税庁は、課税要件が充足されている限り、法律で定められたとおりの税額を徴収しなければならない(租税の減免・徴収猶予に裁量を認めない)。

    租税法の解釈指針

    背景・趣旨

    租税法の解釈は文理解釈が原則である。

    租税法は侵害規範であり、法的安定性・予測可能性が強く要請されるから。

    したがって、拡張解釈・類推解釈は例外的にしか認められない。

    補足

    期間税・随時税 所得税・法人税は一定期間(暦年・事業年度)の所得に課される期間税。これに対し、相続税・登録免許税などは課税原因の発生のつど課される随時税。所得計算は「いつの期間に帰属するか」が常に問題となる。

    所得の意義 ― 包括的所得概念

    背景・趣旨 ― 所得の意義

    「所得」とは、人が収入等の形で新たに得た経済的利益のすべて(一定期間における純資産の増加すべて)をいう。

    一時的・偶発的・恩恵的な利得であっても、納税者の担税力を増加させる以上、課税の公平の観点から所得に含めるべきである(包括的所得概念)。これに対し、制限的所得概念はこれらを所得に含めない。

    条文上も、譲渡所得・一時所得への課税がなされ、雑所得において「すべての所得」といった包括的文言が用いられていることから、現行法も包括的所得概念を採用していると解される。

    この包括的所得概念が、あらゆる課税判断の出発点になる。「経済的利益はいったん所得にあたる。ただし政策的に課税しない/繰り延べる場合がある」という発想の枠組みを押さえておくと、個別の論点が理解しやすい。

    派生概念

    包括的所得概念からは総合課税が原則となる。もっとも、退職所得・山林所得は例外的に分離課税とされる。

    • 退職所得 … 退職後の生活保障の観点から税優遇の必要性
    • 山林所得 … 山林の育成に長期間を要するという特殊性

    損益通算(69条)が認められる不・事・山・譲(不動産・事業・山林・譲渡所得)も総合課税の一種であり、包括的所得概念との親和性が高い。

    所得の10分類と課税の流れ

    所得税法は、所得をその源泉・性質に応じて10種類に分類し、種類ごとに計算方法・課税方法を定める。まずこの10分類を覚える。

    性質所得区分(条文)
    資産性所得利子所得(23条)/配当所得(24条)/不動産所得(26条)
    勤労性所得給与所得(28条)/退職所得(30条)
    資産+勤労の結合事業所得(27条)/山林所得(32条)
    臨時的所得譲渡所得(33条)/一時所得(34条)
    その他雑所得(35条)
    イメージだけ課税の流れ(覚えなくてよい):各所得を計算 → 総合課税分に税率/分離課税分に税率 → 合算 → 税額控除源泉所得税額を差し引く → 申告納税額。「区分 → 計算 → 課税方法」の順に処理する全体像だけ掴む。

    帰属所得・未実現利益

    包括的所得概念を貫けば本来は所得にあたるが、政策的・技術的理由で原則非課税とされる類型。「本来は課税対象だが、あえて課税しない」その理由を理解しておくと、課税される例外(自家消費・現物給与など)との境界が見えてくる。

    背景・趣旨 ― 帰属所得

    帰属所得とは、自己の労働や所有資産の利用から生じ、自己に直接帰属する所得をいう(例:自分で部屋を掃除する、自己所有のDVDを観る)。原則として非課税

    包括的所得概念からは帰属所得による経済的利得も所得を構成する。しかし、収入が得られていないのに所得があると考えるのは不自然であり、範囲が不明確で把握・評価が困難なため税務行政上の執行可能性に乏しい。また帰属所得の多くは少額で低所得者層に集中しており、課税しなくても公平負担の観点からの問題は小さい。よって特別の定めのない限り非課税とすべきである。

    特別の定め ⇒ 39条(自家消費)40条(棚卸資産の贈与等)

    背景・趣旨 ― 未実現利益

    未実現利益とは、所有資産の価額が増加したが、資産の形に何ら変化がない場合の利益をいう。非課税

    包括的所得概念からは資産の値上がりも所得にあたる。しかし、36条が実現した所得のみを収入金額として課税対象とし、また未実現の利益は捕捉・評価が困難であるから、特別の定めのない限り非課税とすべきである。

    給与所得と事業所得の区別

    給与所得は概算控除(給与所得控除)、事業所得は実額控除(必要経費)。控除方法が異なるため、ある支払が給与か事業所得(外注費)かは実務でも判断が分かれやすい。判例が示した区別の基準を見ておく。

    判例

    弁護士顧問料事件(最判昭和56年4月24日)

    事業所得とは

    自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性・有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいう。

    給与所得とは

    雇用契約又はこれに類する原因に基づき、使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいう。とりわけ、給与支給者との関係において何らかの空間的・時間的拘束を受け、継続的ないし断続的に労務・役務の提供があり、その対価として支給されるものか否かが重視される。

    実務では外注先への支払が「給与」と認定されると、源泉徴収漏れ・社会保険の問題に波及する。形式的な契約名称ではなく、独立性・危険負担・指揮命令・時間的場所的拘束といった実態で判断される点が重要。業務委託のつもりが給与認定されるリスクは、契約書整備の場面で実際に問題になる。

    源泉徴収制度

    源泉徴収制度とは、給与等の支払者が支払時に所得税を天引きして国に納付する制度。趣旨は徴税の便宜・確実と、受給者が煩雑な申告をしなくて済む点にある。

    法律関係のポイント

    源泉徴収による申告所得税の法律関係は、国 ― 源泉徴収義務者(支払者)の間で完結する。そのため、誤って源泉徴収された場合でも、受給者は国に直接還付を請求できない(支払者を通じて精算する)。源泉徴収義務の有無・範囲が論点となる事案に直結する(次の債務免除の判例参照)。

    判例 ― 応用

    倉敷青果荷受組合事件(最判平成27年10月8日 → 最判平成30年9月25日)

    事案

    権利能力なき社団である青果荷受組合が、理事長に対する約48億円の貸付債務を免除した。課税庁は、当該債務免除益は理事長への賞与に該当するとして、組合に約18億円の源泉所得税の納税告知処分・不納付加算税の賦課決定処分を行った。組合がその取消しを求めて争った。

    給与所得該当性

    免除益が「給与等」(28条)にあたるか。組合が長年にわたり理事長に多額の貸付を繰り返し、その免除に際して理事長・専務理事としての地位や貢献が考慮されたとみられる本件事情の下では、当該免除益は雇用契約に類する原因に基づき提供した役務の対価=賞与(給与)に該当する。

    判決の経過(要注意)

    第一次上告審(最判平成27年10月8日)は、上記のとおり給与所得該当性を肯定した上で、資力喪失時の債務免除益を非課税とする旧所基通36-17の適用の可否を検討させるため原審に差し戻した(=この段階で源泉徴収義務が確定したわけではない)。差戻審を経た第二次上告審(最判平成30年9月25日・民集72巻4号317頁)が組合の上告を棄却し、結論が確定した。

    平成30年判決の論点

    組合は「源泉徴収されるなら免除しなかった」として錯誤無効を主張したが、最高裁は、法定申告期限後でも錯誤主張自体は可能だが納税告知処分後はもはや錯誤無効を主張できないとした。

    立法による手当て

    本件を背景に、平成26年度改正で所得税法44条の2(資力喪失時の債務免除益の非課税)が新設され、旧通達36-17は削除された。現在は条文で処理される。

    実務では役員や関係者への債務免除・貸付の整理は、税務上「給与(賞与)」と扱われ会社に源泉徴収義務が生じうる。オーナー企業の事業承継やグループ内債権整理の場面で実際に問題になる論点。「給与該当性 → 非課税規定の適用 → 源泉徴収義務」と段階的に検討する必要があり、安易な債務免除が思わぬ源泉所得税を招くことを押さえておく。

    一時所得と雑所得

    条文

    34条(一時所得) 利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡所得以外の所得のうち(除外要件)、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で(非継続要件)、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないもの(非対価性要件)をいう。

    35条(雑所得) 他の9種類のいずれにも該当しない所得をいう(バスケット・カテゴリー)。

    計算特徴
    雑所得収入 − 必要経費事業所得と同じ計算
    一時所得収入 − 支出金額
    (− 特別控除50万円) → ×1/2課税
    支出は「その収入を得るため直接要した金額」に限る
    背景・趣旨 ― 一時所得の控除と1/2課税

    一時所得の支出金額が直接要した金額に限られるのはなぜか。一時的・偶発的な所得であり、本来「経費」概念は観念しにくいが、ここでの経費は投下資本という広義の経費を意味するから、直接性のあるものであれば控除できる。

    1/2課税とされるのは、一時的・偶発的な所得は担税力が低いため、これを調整する趣旨による。

    判例

    非課税要件(継続性)の判断基準(最判平成27年3月10日)

    判旨

    営利を目的とする継続的行為から生じた所得か否かは、文理に照らし、行為の期間・回数・頻度その他の態様、利益発生の規模・期間その他の状況等の事情を総合考慮して判断するのが相当である。

    譲渡所得 ― 清算課税説と課税繰延べ

    判例 ― 最重要

    譲渡所得の本質=増加益清算課税説

    判旨

    譲渡所得への課税は、資産の値上がりにより所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転する機会に、これを清算して課税する趣旨のものである。したがって課税所得たる譲渡所得の発生には、必ずしも当該資産の譲渡が有償であることを要しない。

    帰結

    33条1項にいう「資産の譲渡」とは、有償無償を問わず資産を移転させる一切の行為をいう。

    区別キャピタルゲイン(=値上がり益、保有中に発生)と、譲渡益(=譲渡されて初めて実現するもの)は概念上区別する。課税のタイミングは「実現」時。
    背景・趣旨 ― 課税の繰延べ(贈与・相続)

    増加益清算課税説からは、贈与・相続による無償移転の時点でも本来は増加益を清算して課税すべきとも思える。しかし、相続・贈与のたびに譲渡所得税を課すのは国民感情に反する

    そこで現行法は、原則として課税を繰り延べ、受贈者・相続人が将来その資産を売買等で譲渡した時にまとめて課税する。その際、取得費と取得時期が引き継がれる(60条)。二重課税にはならない。

    第 二 編

    法人税法の基礎

    法人の所得課税。22条を軸に、益金・損金・公正処理基準を押さえる。

    納税義務者と課税標準

    法人税は法人の所得に課される。納税義務者は内国法人(国内に本店・主たる事務所を有する法人。全世界所得が課税対象)と外国法人(国内源泉所得のみ課税)に大別される。

    課税標準

    課税標準は各事業年度の所得の金額。所得税が暦年・10分類で計算するのに対し、法人税は事業年度を単位に、所得を分類せず一括して計算する点が大きく異なる。この計算の通則を定めるのが次の22条である。

    十一

    所得計算の通則 ― 法人税法22条

    法人税法の背骨となる条文。第1項から第4項までの構造を、空で言えるようにする。

    条文構造

    22条1項 各事業年度の所得の金額 = 益金の額 − 損金の額

    22条2項(益金) 資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡・役務の提供、無償による資産の譲受け、その他の取引で生ずる収益の額。

    22条3項(損金) ①売上原価等、②販売費・一般管理費その他の費用、③損失の額。

    22条4項(公正処理基準) ①〜③の額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算する。

    改正注意22条の2(収益の計上時期・計上額に関する規定)は平成30年度改正で新設された。収益認識の論点では22条2項とあわせて参照する。条番号・内容は最新の条文で必ず確認。
    十二

    益金 ― 無償取引と南西通商事件

    22条2項が、有償取引だけでなく「無償による資産の譲渡又は役務の提供」からも益金が生ずるとしている点が、法人税法最大の特徴であり頻出論点。

    背景・趣旨 ― 無償取引から益金が生ずる理由

    22条2項が無償取引からも収益が生ずるとした趣旨は何か。

    適正所得算出説。正常な対価で取引した者との課税の公平を図るため、無償取引からも、いったん適正な対価相当額の収益が実現したものとして所得を計算する必要がある(資産の値上がり益を移転の機会に清算する趣旨)。

    したがって、低額譲渡の場合も、時価と対価の差額が益金に算入される。

    判例 ― 最重要

    南西通商事件(最判平成7年12月19日)

    判旨

    22条2項にいう「無償による資産の譲渡」には低額譲渡も含まれ、譲渡時の時価相当額が益金に算入される。

    理由

    同項が無償譲渡からも収益が生ずるとした趣旨は、資産の値上がり益を清算して課税する点にある。この趣旨は有償・低額・無償で区別する理由はないから、低額譲渡においても時価まで益金に算入される。

    実務ではグループ会社間の資産の低額譲渡・無償譲渡(不動産・在庫・知財の移転など)で頻出。簿価で動かしたつもりでも、時価との差額が益金として課税されうる。組織再編・グループ内取引の設計時に「時価で課税される前提」を忘れると、思わぬ追徴につながる。益金(譲渡側)と損金(取得側)を分けて検討するのが基本。
    十三

    損金 ― 債務確定基準

    22条3項は損金を①原価、②費用、③損失の3つに分ける。このうち②販売費・一般管理費等の費用については、計上時期を画する基準が重要。

    債務確定基準

    費用(償却費を除く)が当該事業年度の損金に算入されるには、原則として事業年度末までに債務が確定していることを要する(22条3項2号)。具体的には、①債務の成立、②給付の原因事実の発生、③金額の合理的算定可能性の3要件で判断する。

    見積りや恣意的な費用計上による所得操作を防ぎ、課税の公平・明確を図る趣旨。

    対比①原価は費用収益対応の原則により収益に対応させて計上、③損失は債務確定を要しない。「原価・費用・損失」で計上ルールが違う点を整理しておく。
    十四

    公正処理基準(22条4項)

    背景・趣旨 ― 公正処理基準の意義

    22条4項の「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」とは何か。

    これは、確立した会計慣行のうち客観的・規範的にみて公正妥当と認められるものをいう。法人の所得計算を企業会計に委ねつつ、租税法独自の観点から修正・限定する枠組みである。

    法人の所得は本来、継続的な企業会計の上に成り立つから、これを尊重しつつ、租税法の趣旨(課税の公平・明確、租税回避の防止)に反する処理は採用しない。

    判例

    大竹貿易事件(最判平成5年11月25日)

    要旨

    収益の計上時期について、企業会計上の基準がそのまま是認されるわけではなく、公平な所得計算の要請に照らして判断される。輸出取引の収益計上時期につき、船積日基準が公正処理基準に適合するとされた。企業会計と税務のズレを意識させる事案。

    改正注意収益認識については、現在は22条の2が計上時期・計上額の原則を定める。古い判例の射程を論じる際は、現行法との関係を最新条文で確認すること。
    十五

    役員給与の損金不算入

    従業員給与は原則として損金になるが、役員給与はお手盛り(恣意的な利益調整)のおそれがあるため、損金算入が厳しく制限される(34条)。

    損金算入できる3類型(34条1項)
    • 定期同額給与 … 支給時期が1か月以下の一定期間ごとで、各支給額が同額であるもの
    • 事前確定届出給与 … 所定の時期に確定額を支給する旨を事前に届け出たもの
    • 業績連動給与 … 一定の客観的指標に基づき算定される、要件を満たすもの

    これら以外の役員給与、及び不相当に高額な部分(34条2項)、事実を隠蔽・仮装して支給するもの(34条3項)は損金不算入。

    背景・趣旨 ― 制限の趣旨

    役員は法人の意思決定を支配しうる地位にあり、給与の名目で利益を分配して法人税の課税を回避するおそれがある。そこで、恣意性の排除しうる類型に限って損金算入を認め、課税の公平を図る趣旨である。

    確認各類型の細かな要件・例外は改正が多い領域。3類型の名称と趣旨を骨格として押さえ、要件の詳細は最新の条文・通達で確認する。
    十六

    寄附金・交際費の制限

    寄附金(37条)

    寄附金は、事業との関連性が不明確で、本来の費用と利益処分との区別が困難。そこで損金算入限度額を設け、超える部分は損金不算入とする。無制限に損金算入を認めると、実質的な利益処分まで課税を免れさせ、課税の公平を害するため。

    交際費等(措置法61条の4)

    交際費等も、冗費・濫費の抑制と税負担の公平の観点から、原則として損金不算入(中小法人の定額控除など特例あり)。租税特別措置法に根拠がある点に注意。

    改正注意交際費の損金算入特例・限度額は改正・期限延長が頻繁。具体的な金額・割合は必ず最新の措置法で確認すること。
    十七

    同族会社の行為計算否認

    背景・趣旨 ― 132条の趣旨

    同族会社の行為計算否認規定(132条)とは、同族会社の行為・計算で、これを容認すると法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものについて、税務署長がこれを否認して所得・税額を計算できるとする規定。

    同族会社は少数の株主・役員に支配され、第三者間では通常行われない不自然・不合理な取引によって租税を回避しやすい。そこで、これを是正し課税の公平を図る趣旨である。

    解釈の核心「不当に減少させる」の判断は、経済的合理性の有無を基準とする(独立当事者間では通常なしえない不自然・不合理な行為計算か)。一般的否認規定であるため、適用の射程・限界が論点になりやすい。

    超時短租税法 ― 第1週・基礎編

    次は第2週「深掘り編」へ。

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